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「あなたの声がききたい〜聴覚障害の両親に育てられて〜」を読んで
東大阪市 3年 美野田 有紀
「あなたの声がききたい〜聴覚障害の両親に育てられて〜」、この本は作者がであった看護師加奈子さん(仮名)の体験した話を基に書かれた本です。
私がこの本に興味をもったのは、母が読んでいたからです。この本を読むまで身近に聴覚障害の人がいるわけでもなく、全くと言っていいほど聴覚障害についての知識はありませんでした。でも読みすすんでいくうちに、加奈子さんとその家族がうけた差別を知り、悲しみと怒りでいっぱいになりました。そして、家の中でただ一人、音が聞こえるさびしさも、私には想像もつきません。普段家族と無意識に交わしている「おはよう」や「おやすみ」の挨拶も返事が返ってこないと一人で家にいるようで、どんなにさみしかっただろうなあと思います。
特にこの物語で加奈子さんのお母さんの、聴覚障害者特有の聞きとりにくい発音を小学生だった加奈子さんのクラスメイトがばかにしている場面では、読んでいる私まで本当にくやしく思いました。聴覚障害者の人はくちびるの動きだけをたよりに声をだすのは、とても努力が必要だと思います。そんな経験をしたことのない人間がその人をばかにするのはおかしいと思いました。第一、身近に障害をもった人がいたとしたら、そういうことを思わないと思うし、口にできないと思います。
私の母は一時期、手話の練習をしていました。その時勤めていた会社に、聴覚障害の人が新入社員として入社してきたからでした。その日から会社では毎日講習が行われたそうです。私はその話をきいて、そういう会社がもっとふえるといいな、と思いました。
その日から母は、その人と早く話せるようにと、何回も自分の名前や自己紹介などを、手話で練習していました。妹も自分の名前を練習していて、とても楽しそうでした。
手話はジェスチャーと似たようなものだそうです。例えば、「おいしい」という手話は「ほっぺたが落ちそう」というジェスチャーと同じように、ほっぺたを二度おさえます。また「まずい」という手話は口からぺっと、ものをだすしぐさをします。
それともう一つ大切なのは、表情だそうです。
手許で悲しいと伝えているなら、顔も悲しい顔。手話で楽しいと伝えているなら、顔も楽しく笑顔に。そして、手話にあわせて声をだすことも、気持ちを伝えるうえでとても大切なようです。
「障害は不幸ではありません。ただ少し、不自由なだけです」と、何かの本にかいてありました。たしかに、紙とペンを使っての会話は不自由です。もっとたくさんの人が、手話を覚えて、いろいろな場所でみかけるほど、一般的になれば、聴覚障害者の不自由はへると思います。
この本を読んだことをきっかけに、母はもう一度、一から手話を学ぼうとしています。私もこれを機会に手話にちょうせんしてみようかなあと思っています。
「あなたの声がききたい〜聴覚障害の両親に育てられて〜」
岸川悦子著 佼成出版社
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